システムを入れたのに、何も変わらない?

「最新のツールを導入しました」
「これでDXは一歩前進です」

そんな言葉を、これまで何度聞いてきたか分かりません。
しかし現実には、導入されたシステムが上手く使われていない場合も少なくありません。
このような状況を、私は現場で何度も目にしてきました。

システム導入は、本来ゴールではありません。
業務を変えるための手段にすぎないはずです。

それでも多くの組織では、
「入れた」という事実だけで、話が終わってしまうことがあります。
ここに、DXが進まない一つの要因があるのではないでしょうか。

手段と目的が、静かに入れ替わる瞬間

DXが止まる組織には、共通した構図があります。

  • 導入を決める人は、ツールを使わない
  • 使う人は、選定に関わっていない
  • 誰も「使われなかった責任」を取らない

結果として、
「導入すること」自体が目的になってしまう

評価されているツールであっても、
使えば多少は業務が楽になると分かっていても、
「今までのやり方を変える方が面倒」という理由で、使われない。

これは能力の問題ではありません。
変えなくても困らない構造が、そうさせているのかもしれません。

変えようとする人ほど、負担が増える組織

現場には、少数ですが確かにいます。
「このままではダメだ」と感じ、業務を変えようと動く人が。

しかし、そうした人ほど疲弊していきます。

  • 声を上げても、空気で流される
  • 動いた分だけ仕事が増える
  • 評価は変わらない

やがて学習が起こります。

「何もしない方が楽だ」

こうして、
変えようとする人がマイノリティになり、組織に吸収されていく

DXが進まない理由は、
やる気がないからでも、現場の能力の問題でもありません。
努力が報われにくい構造が、知らず知らずのうちに作られているのかもしれません。

成果を出す人ほど、報われにくい現実

日々の実務に追われ、細々とした対応を続けている人と、
そうでない人との間には、明らかな違いがあります。
このような違いを、現場の人は感じていることがあります。

それでも評価は変わらないことが多い。
成果を出しても、出さなくても、評価に大きな差が出ない。

このような状況で、
「DXを進めろ」「変われ」と言われても、
本気になる人の方が少なくなるのは、ある意味当然かもしれません。

働けば働くほど負担が増える。
そんな構造の中で、DXだけを進めようとすることは、なかなか難しいのが現実です。

変わるリスクと、変わらないリスク

変わることには、確かにリスクがあります。
失敗するかもしれない。
責任を問われるかもしれない。

しかし、変わらなければリスクが消えるわけではありません。
先送りされているだけです。

数年後、担当が変わったとき。
本当に困るのは、次の世代です。

変わらない選択は、
「何も起きない安全な道」ではありません。
問題を先送りしているだけかもしれません。

この違和感に気づいているあなたへ

もしこの記事を読んで、

「これ、うちの話だ」
「なんとなく感じていた」

そう思ったなら、
その感覚は間違っていません。

DXが進まない原因は、
あなたの努力不足ではありません。

変えようとする人が負担を感じやすい構造にあるのかもしれません。

この違和感に気づいている人がいる限り、
組織はまだ変われます。

問題は、
その違和感を「なかったこと」にするのか、
それとも、次に進むきっかけにするのか。

その選択だけは、
現場にいる私たち一人ひとりに委ねられています。