適応していく恐怖に、どう向き合うか

「変わらなきゃいけない」と分かっているのに、「正直、面倒だし大変だしなぁ」と感じることはありませんか。
やることは増えるし、今まで積み上げてきたやり方を一度崩して、また新しく積み上げ直す必要がある。確かにとても大変。

それは決して怠けではなく、ごく自然な感情だと思っています。


恐怖の正体は「失敗」ではない

変化に対する恐怖の正体は、「失敗すること」そのものではありません。
多くの場合それは、

  • 今までかけてきた時間
  • 学んできたやり方
  • 積み上げてきた経験

それらを、もう一度払い直すことへの抵抗感です。

「ここまでやってきたのに、また最初からなのか」

この感情は、とても人間的で、自然なものです。


正解だと思っていたものが、正解ではなかった瞬間

自衛隊時代、救急法に関する教育を受けたことがあります。
その中で、他部隊のやり方に触れる機会がありました。

そこでは、 それまで自分が当たり前だと思っていた方法とはまったく異なる、実践的な考え方が採られていました。

その時、感じたのは、 感銘と同時に、強い恐怖 でした。

「自分たちは、本当に実力を身につけられているのか」
「同じやり方を繰り返しているだけではないのか」

人命救助は、使命そのものです。高い水準を維持し続けなければ意味がない。

そう考え、徹底的に学び直しました。
外部資格を取得し、練習を重ね、知識を積み上げました。


変化を拒む空気の強さ

その後、教育や評価の場で「より本質的な理解が求められる内容」に踏み込んだとき、周囲との温度差を強く感じました。

「波風を立てるな。今まで通りでいい。」

そうした空気のほうが、圧倒的に強かったのです。

結果として、大きな変化を起こすことはできませんでした。
それでも、この経験から一つだけ確信したことがあります。

「今あるものが、常に正解とは限らない」

だからこそ、 アンテナを高く張り、外の世界を知り、環境に適応する力が必要だと感じるようになりました。


変わらないことの「安心」と、その代償

長く続いてきた組織には、理由があります。
地域に根ざし、信頼を積み上げてきたからこそ、今があるのも事実です。

ただ一方で、

  • 教育の考え方
  • 技術への向き合い方
  • 情報収集の姿勢

が、気づかないうちに止まってしまうこともあります。

「できる人に任せればいい」
「分からないけど、どんどんやってほしい」

それ自体は悪意ではありません。
ただ、理解しようとする姿勢を手放した瞬間から、組織は静かに古くなっていきます。


AIは仕事を奪うのではなく、問いを突きつけている

AIや新しい技術は、誰かの仕事を奪う存在ではありません。
問いを突きつけているのは、

「これからも同じやり方で進みますか?」

という一点です。

使えば効率は上がります。成果も早く出ます。

その結果、「時間=価値」という考え方は揺さぶられます。

ここで必要なのは、ツールの是非ではなく、価値の測り方を切り替える覚悟です。


適応しない恐怖のほうが、よほど大きい

「変えるにはリスクが伴う。変えなければもっと大きなリスクが伴う」

これは、米国の伝説的な宇宙飛行士ジョン・ヤングの言葉です。
現状維持は安定に見えて、実は最も危険である。変化を恐れず挑戦することの重要性を説いたこの言葉を、私は常に胸に刻んで仕事をしています。

私は個人的に、 人生で一度も「このままで食べていける」と思ったことがありません

変化の速い時代において、立ち止まることこそが、最大のリスクだと感じています。
流れに身を任せていては、気づいた時には、戻るために何倍もの労力が必要になります。


常に適応し、常に進化するという選択

今、あなたがいる環境は本当に時代に合っているでしょうか。
激しい流れの中で、ただ流されているだけになっていないでしょうか。
泳ぎ、障害物を避け、環境に適応し続けることは簡単ではありません。
それでも、後から戻る苦労を考えれば、今、向き合うほうがまだ楽だと私は思います。

完璧である必要はありません。
ただ、目を背けないこと。

常に適応し、常に進化し続ける。

それが、これからの時代を生きるために必要な姿勢だと考えています。